Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 178.374 Zeichen · 345 Bildschirme
それから、ジャガタラ薯も、まだ作り方を知らない人に教えてやりました。村人のうちには、ハイハイと聞いてはいるが、実行しない人も多くありましたが、与八は、それに頓着なしに、ハト麦の効能を説きながら、その種子を配り歩いています。
饑饉というものは怖ろしいものですよ。わしらも子供の時に見ました。野原にちっとも青いものがありませんでな。みんな人間が摘んで食べてしまうからです。それでも足りないで飢え死ぬ人が多くありまして、わしらが見ても、街道筋にゴロゴロ行倒れが毎日のように倒れました。わしの大先生は心がけのいい人ですから、そういう時の用心がちゃあんと出来てましたから、わしらはいくら饑饉でも、ちっともひもじい思いをしたことはございませんでしたが、世間には、明日食うものがない、今日食うものがない、二三日食わない、なんていう人がザラにありました。
天保の年は、四年と七年と二度も続いて饑饉がございましたが、七年の方が殊にひどうござんした。その年は春の初めから引続いて、季候が不順でございまして、梅雨から土用まで降りつづいた上に、時候がたいそう寒うございまして、日々毎日、陰気に曇ってばっかり、晴れたかと思えば曇り、曇ったかと思えば雨が降る、といったような陰気な年でございました。