Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 178.374 Zeichen · 345 Bildschirme
てですな、芸術的に見て、実に筆致と言い、墨色と言い、彩色といい、全体の表現と言い、すばらしいものです。ことにその彩色が――彩色のうち、人目を奪う紅と朱の色が大したものです。なにしろ千年以上の作というにかかわらず、朱の色が、昨日硯を発したばかりの色なんです、今時の代用安絵具とは違います、絵かきが垂涎しておりますよ、こんな朱が欲しいものだ、ドコカラ来た、舶来? 国産? いかなる費用と労力をかけても、それを取寄せてつかってみたいとの心願を致しますけれど、あんな朱はドコで求めることもできません、科学者は研究をはじめましたが、今以て、その原料が何物であるかわからんそうです、動物質か、植物質かさえもわからないのだというのですから――つまり、千年の昔に悠々として使いこなした顔料を、千年後の今日の科学で解釈がつかないというんですから、現代の科学も底の知れたものです。あれはぜひ一見の必要がありますな」
こう言って説き立てたものですから、お銀様が、その明日という日に、この通り醍醐詣でとなった始末であります。随行に選ばれたのはお角と米友、これは不破の関守氏の当然の見立てでもあり、本人たちも納得したところであります。