Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 178.374 Zeichen · 345 Bildschirme
も、あまり現われないのです、支那の近海とは違って、亜米利加へ近づくほど海賊が少ないのです、土地が豊かで、天産物が多く、そうして、人間の数が少なければ、人は人の物を奪わずとも、天与の物資そのものを目的とします。与えられたものが即ち運命なりとすれば、とにかく、あの島が、最初に我々を迎えてくれたのですから、あれに我々の運命をかけてみることも天意かも知れません、全員総上陸の用意を命じていただきたい」
駒井甚三郎は、遠目鏡を離さず、船橋の上に立ちながら、相並んで島をながめている田山白雲に向ってこう言いました。
ほどなく、総上陸の用意が整えられた時、駒井甚三郎は、みなに命じて大砲を一発打たせてみました。この航海で大砲を使用したのは、これで二発目です。一発は鯨の群の遊弋に向って試みてみました。今度は島へ向って礼砲のつもりです。その、轟然たる響きを聞いても、島のいずれの部分からも、人獣の動揺する姿を認めることができなかったものですから、駒井は遠目鏡を外して、また田山白雲に向って言いました、
「無人島です、人間は住んでおりません、もし相当多数の住民がありとすれば、船がここまで来る間に土人の舟が現われるはずですが、舟がちっとも現われない上に、人も現われて来ない、人間の使用品の類も漂うて来ない、煙も揚らない、人間の住んでいる気配