Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 104.838 Zeichen · 204 Bildschirme
。山陽、東坡のやからすら企て及ばざる風流韻事の果報なり、と心を躍らせずにはおられません。
「時に、玉蕉先生、一つお願いがあるのですが」
「改まって、何でございます」
「ここに一人の少年と、一頭のムク犬がおります、拙者の従者なのですが、画舫の片隅へ召しつれて差支えございますまいか」
「ええええ、差支えございませんとも」
「では、茂――ムク――」
白雲は茂太郎とムクとをこの船に引きずり込み、やがて、風流瀟洒たるこの月見船は、松島湾の波の上を音もなく辷り出しました。
果して、興は船の進むと共に進みました。美酒佳肴の用意も申すまでもなく、丹青翰墨の具まで備わらずということはありません。
興に乗じて、白雲は筆をとって直ちに眼前の景を描きました。
「これへ一筆――」
玉蕉女史に向って賛を求めると、女史も辞することなく達筆をふるいました。
絶奇造化思紛々(絶奇なり造化、思ひ紛々)
位置如棋島嶼分(位置は棋の如く島嶼分る)
最是風光難画処(最もこれ風光の画き難き処)
落霞紅抹万松裙(落霞紅に抹く万松の裙)
それから白雲が随って画けば、玉蕉が随って賛をする――二人が詩興画趣のうちに全く陶酔して行くのはやむを得ないことですが、