Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 104.838 Zeichen · 204 Bildschirme
玉だすき
うねびの山の
かしはらの
ひじりの御代ゆ
あれましし
神のことごと
かたへより
いやつぎつぎに
つがの木の
「そうら、ごらんなさい――さんさ時雨が万葉に変りました。この次には、カッポレや隆達が飛び出さないとも限りません」
白雲が囁くと、果せるかな、歌い手が急に韻文から散文に直下して、それから演説口調になりました、
「皆さん、今晩の月を見て、皆さんのお心持はいかようにお感じなさいますか。昔の歌人は、月見れば、ちぢにものこそ悲しけれ、我身一つの秋にあらねど……とうたいました。御同様にわたくしもなんとなく、悲しい思いがいたします。これはおそらくどなたでも、同じ思いでございましょうと思います、日本の人も、唐の人も、それから西洋の人も……西洋のゲーテという人はこう言いました、楽しい、悲しい昔の思い出が心に満ちて、わたしはこの二つの世の間に、ひとり今宵さびしくさまよいます――と。皆さん、人情には変りありません、古今東西――眼の色が違うからと言って、月の色は変りません、月を見て感ずる心は同じだろうと思いますが、皆さんはいかがです」
これは、もとより、玉蕉女史に向って呼びかけたのでもなく、白雲に向って訴えたのでもないのです。