Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 104.838 Zeichen · 204 Bildschirme

Aozora Bunko

見物は船の甲板上にいっぱいに溢れたけれども、他の船からも、岸の上からも見られるようにしておきましたから、広くもあらぬこの港の津々浦々は、総出の見物です。

それから、飛入りをうながすと、最初ははにかんでいたのが、一人やり二人やるうちに、勇気が出て、ところの名物の総ざらいがはじまったようなものです。

そこで、当日は臨時の大祭が行なわれたようなもので、船の人も楽しむと共に、土地の人々をも楽しませることができ、陽々たる和気がたなびいて、お松の考案は百%の効果をあげたという次第です。

二十四

かくてその翌日、田山白雲は一石三鳥の目的をもって、暫しの旅に立ちいづる。

しばしの旅のつもりではあるが、旅という気になってみると、またしても漂浪性の血が脈を立てて、一石三鳥の重任ある身でありながら、白雲悠々の旅心が動くに耐えないのです。

つまり、船に来てから人に逢ってみると里心がついて、この当座は、人間界の代物でしたけれども、ここでまたも放たれた気分になりました。放たれたといっても、誰も白雲を囚えんとしたものはないのですけれども、人事のことがあれこれと左右に群がると、どうしても旅心そのものは抑圧されてしまいます。