Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠10
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠10 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 285.635 Zeichen · 558 Bildschirme
「腐ってはいないようだから、ワザと捨てたんではありますまい、この辺の百姓が作って、干して置いたのを、波にさらわれたのではないかしら?」
「そうかも知れません……しかし、まだこの辺の百姓が、ジャガタラいもを作っているのを見かけませんが……」
駒井は、まだこのジャガタラいもの存在に不審が解けきれないでいると、白雲は画框を岩上にさし置いて、懐中から風呂敷を出して砂上にひろげ、
「それほどうまいものなら、持って行って食べてみましょう……西洋人に食えるものが、われわれに食えないというはずはない」
といって、その根塊の特にうまそうなのを選んでいちいち拾い上げて、その風呂敷に包みはじめました。
田山白雲は、晩餐の賞美の料としてのジャガタラいもをブラ下げて行くと、駒井甚三郎は、白雲のために、代って画框を受取って、海岸を帰途につきました。
その時、駒井はこんなことを言いました。
もし、自分が海外のいずれへか植民をしようという場合には、とりあえずこのジャガタラいもを植えつけてみたい。その手始めに、この地方へ栽培を試みようと思ったが、ツイにそこまで手が廻らなかったのが残念だ。