Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠10
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠10 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 285.635 Zeichen · 558 Bildschirme
でいえば、乳の上、乳の下の構えというのに似て、組むためではなく、突くためか、打つためか、或いは払うための構えだと見て取りました。
毛唐の社会には、こんな手があるのか知ら。しかし、油断して、タカをくくっていたとは言いながら、あのこぶしの一撃でよろめかされ、二撃で完全に打ち倒されてしまったのだから、白雲が、歯がみをするのも無理はない。
今で考えると、この大の男が取っている身構えは、拳闘をする時の身構えであって、この男は相当に拳闘を心得ていて、自分の危急のあまり、その手で白雲を打ち倒したものだから、決して無茶をやったわけでもなく、力ずくで振り飛ばしたわけでもない。先方はつまり、習い覚えた正当の格によって応戦して来たのを、こちらが無茶に、不用意に、近づいたから不覚を取ったものに違いない。
前にもいう通り、田山白雲は画家に似合わず屈強な体格であり、兼ねて武術のたしなみがあり、なかなかの膂力があって、酒を飲んで興たけなわなる時は、神祇組でも、白柄組でも、向うに廻して喧嘩を辞せぬ勇気があり、また喧嘩にかけては、ほとんど無敵――というよりは、その蛮勇を怖れて、相手になり手がないというほどに売込んでいるから、自分もその方面にかけては、十分の自信がある。