Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
だいぼさつとうげ
大菩薩峠10
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠10 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 285.635 Zeichen · 558 Bildschirme
その機会をすかさず二三度突くと、女はようやく頭を起して、酔眼を見開いて、どこともつかずうちながめているから、
「ここは君の来るべきところではない、起きて帰りなさい」
兵馬は、そこで手をゆるめて、忠告を加えたが、酔眼と、ねぼけまなこで見返した女の心には、まだなんにもハッキリした観念がうつらないらしい。そうしてものうげに、
「いいのよ、いいのよ」
といって、またも、ひじ枕で横になろうとするから、兵馬はあわてて、
「いけない、眠ってしまってはいけない!」
「うッちゃっといておくれ、かまわないから――」
こちらで言うべきことを、あちらで言って、女はまた寝込んでしまおうとするから、兵馬は荒々しく、
「しっかりし給え!」
荒々しく、じゃけんに女を動かして、寝つかせないものだから、女もたまらなくなり、じれったそうに、
「意地が悪いねえ、こんなに眠いんだから、寝させたっていいじゃないの?」
それをも頓着なしに、兵馬は、
「起きろ、起きろ!」
ちっとも、惰眠の隙を与えないものだから、女は、むっくりと起き上りました。
ああ、気がついたか、世話を焼かせる女だ――と、やっと少し安心していると、起き上った女は、酔眼もうろうとして座敷の中をながめていたが、