Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠10

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠10 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 285.635 Zeichen · 558 Bildschirme

Aozora Bunko

小田原藩の足軽の一人が、傍らからマラソンでも見るような気分で、問いかけたものですから、山崎譲が、

「結局は逃げられるだろう、あれだけ違うんだからな。奴、血迷っているから、抜け道がわからないんだ、うまく抜け道を見つけ出して、海岸へ走らせた日には、もうおしまいだ」

「逃がしちゃいけませんよ」

「逃がしちゃいかんよ」

「どうです、どちらもかなり疲れたようだが、なんとか方法はありませんか」

「どうも仕方がないね、鉄砲で撃ちとめるわけにもゆくまい、弓で射て取るがものもあるまい、やるだけやらせるさ」

「しかし、そう言っているうちに、逃がしてしまっちゃ詰りませんよ」

「逃がしちゃいかんよ」

「でも、足の業から見て段が違いますからな、あれあの通りだ、一方が三間走るところを、一方は僅か二三尺ですからな、あれで、抜け道を見つけ出した日にゃたまりません」

「左様、奴、いつもなら、とうにその抜け道を見つけてるんだが、今日は不意を食ったもんだから、いよいよ血迷ってやがる」

「あ、やりましたぜ、一太刀あびせられた奴がありましたよ、立ちふさがった奴が一人やられましたよ。ごらんなさい、あの通りくもの子を散らしたように逃げ出しました。