Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠10
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠10 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 285.635 Zeichen · 558 Bildschirme
が自然を征服し得ると言えるかも知れません」
「なるほど」
「その点において、日本は恵まれています、海に恵まれている点では、世界に、日本ほどの国はなかろう、と言ってもよいでしょう。今いう、その暖流と、寒流とが……国が充分に細長くて、四面がみな海ですから……そこに、二つの潮流がこう入り交っているから、魚類の豊富なことは無類です。たとえば鰊、これは北のものです。鱈とか、鰊とかいうものは、欧羅巴でも北の方で捕れる魚ですが、それが日本では、この本州と、朝鮮にかけて、ちょうど、北緯三十六度あたりで捕れるようになっているのは寒流のためです。それから欧羅巴でも南欧のものとなっている鮪が、日本の北海道の……蝦夷の東の海岸でとれるのは暖流のためです。そういうわけですから、日本の領海のうちで捕れる魚類は、二千種類もあって、その大半が食物とされているのに、西洋で食用につかう魚類といっては、三十種ぐらいなものでしょう。日本はこの海の富を、大いに利用しなければなりません」
「なるほど」
田山はしきりに大きくうなずきました。自分の得意の問題には、泡を飛ばして気焔を吐くが、自分の至らざる知識については、極めて神妙に人の説を聞いているのがこの男の性質です。