Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠10

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠10 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 285.635 Zeichen · 558 Bildschirme

Aozora Bunko

「これは驚きました、これは恐れ入りやす」

ケシ飛ばされたのをたて直して、いざりよって来たところを、お絹が火鉢の炭を火箸でつまみ、片手でゾロリとした羽織の袖口をひっぱって、

「さあ、お前のようなおっちょこちょいに、この羽織をくれた人は誰だか、言っておしまい、それとも、どこからちょろまかしたか、それを白状おし」

「これは驚きました」

「言わないとこうだよ」

お絹は、そのゾロリとした羽織の紬口をひっぱったその上へ、火のかたまりをあてがったから、金の野郎驚くまいことか、

「白状しますから御免下さい」

「さあ、言っておしまい」

「白状致します、白状は致しますが、それをお聞きになって、あなた様がお気を悪くなさるといけません」

「冗談じゃない、お前のようなおっちょこちょいの、のろけを聞かされたって、ドコの国に、気を悪くなんぞする奴があるものか」

「では申し上げちまいますが、それは、あの実は、両国の女軽業の親方のお角さんから拝領の品なんでございます」

「え!」

「そうらごらんなさい、あなた様、お気を悪くなさるんじゃございませんか」

「知らないよ」

「だから、最初から申し上げないこっちゃございません」