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Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠10

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠10 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 285.635 Zeichen · 558 Bildschirme

Aozora Bunko

いったん脈が切れて、そうして丹沢山塊が起る。蛭ヶ岳があり、塔ヶ岳があって、それからまたいったん絶えたるが如くして、大山阿夫利山が突兀として、東海と平野の前哨の地位に、孤風をさらして立つ。富士は、大群山と丹沢山の間に、超絶的の温顔を見せている――

お松と、ムク犬とは、こんな背景のうちに馬を進ませているのであります。

お松は街道に沿うた大きな雑木林のところに来ると、馬から器用に飛んで下りました。

お松の下りたところの路傍の林の中には、形ばかりのお堂のようなものがあって、その中に立像の石の地蔵尊が安置されてある。お堂も、石像も、まだ新しい。

下りると、馬の鞍につけて来た十何足の草鞋を片手にかかえて、お松がその地蔵のお堂に近づきました。

ムクは心得て、早くもお堂の前に大きな狛犬の形をして坐り込んでいる。

地蔵尊にお辞儀をしてから、お松は鞍からおろした十何足の草鞋を、堂の柱にかけました。これは与八の特志に出づるもので、こうして手づくりの草鞋を堂の前にかけて、道中、草鞋の切れた人の自由に取るに任せてあるものです。

実は、このお堂と、地蔵様とも、あまり久しからぬ以前に与八が立てたもので、無論、このお像が、与八の手に刻まれたものであるのみならず、このお堂もまた与八の手になって、与八の手で運ばれ、一切が手づくりになった