Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠10

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠10 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 285.635 Zeichen · 558 Bildschirme

Aozora Bunko

を組んだままで、やや長い時、ぼんやりとしていましたが、あやまりに行こうともせず、そのまま槌をとり上げて藁を打ちにかかりました。

与八がこうして、ボンヤリと考え込みながら藁を打っていると、表の戸をトントンとたたいて、

「与八さん、与八さん」

「お松さんかい」

「あのね、与八さん、わたし、忘れ物をしましたが、そこらに風呂敷包がありませんか」

「ありましたよ」

「済みませんが、ここの窓から出して頂戴な」

「待っておくんなさい」

与八は槌を下へ置いて、手を延ばして、風呂敷に包んだ例の絵馬を引き寄せながら、

「お松さん、あるにはあるが、ほんとうに済まないことをしちまったよ」

「どうしたの」

「あのね、暗いところにあったものだから、ツイ、わしが足で踏みつぶしてしまいましたよ、それで今、あやまりに行こうと思っていたところだよ」

「まあ……」

外に立っていたお松は、その時、外から手をかけて戸を引きあけて中へ入って来ました。

「沢井」という字だけが見える手ぶら提灯をさげていましたが、

「それは、わたしが悪かったのよ、そんなところへ置きばなしにしておいたから、わたしが悪かったのです」

「こら、こんなにグダグダに砕けてしまった、ほんとうに申しわけがありましねえ」