Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠10
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠10 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 285.635 Zeichen · 558 Bildschirme
「よけいな御心配じゃねえさ、三両だっていうじゃないか、三両なら三両のように、はなからそうおっしゃって下されば、道庵だって、これほど心配はしやあしねえのさ」
「ほんとうに相済みません」
「済むも、済まないもありゃしないよ、第一お前、娘を三両で売って、馬を四両で買うなんて、馬の方が一両高いじゃねえか、そんな値段てあるもんじゃねえ」
「それでも一両は、どうやら掻きあつめて、国から持って参ったもんでございますから……それでどうやら」
「それを言ってるんじゃない。まあまあなんにしても三両でよかった、三両でお売りなすったから、まあよかったようなものさ、これを、百両百貫とでもいってごろうじろ、道庵だって考えらあな」
と言って道庵が、むやみに安心してしまったが、その男にはのみこめないようです。
三両でよかった、三両で人の娘を売ったからまあよかった……という言い分は、ずいぶんぶしつけ極まる言い分であります。さきには人道問題だとまで絶叫したのを、相場が三両だからそれでよかったという言い分は、どうしても聞えない言い分であります。そこで右の男も、敬遠に加うるに、幾分か憤懣の色を見せて言いました、