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Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠10

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠10 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 285.635 Zeichen · 558 Bildschirme

Aozora Bunko

それはまさしくさいぜん、地にうっぷした母子の姿の見えなくなった地点であります。

真紅の広海の上に置かれた純白な二つの髑髏――それを弁信だけが、まざまざと見ました。

そこで弁信は思わず合掌して、

「推落大火坑、念彼観音力、火坑変成池……」

と念じました。

そうすると、二つの髑髏もグルリと弁信の方へ向き直って、そのうつろな四つの眼を合わせて、弁信の方を見つめ出しました。そこで弁信はいやおうなく、

「或漂流巨海、竜魚諸鬼難、念彼観音力……」

とつづけますと、髑髏が喜びました。そのうつろな眼を以てしきりに、もっともっととせがむような気がしますものですから、そこで弁信は容を改めて、妙法蓮華経観世音菩薩普門品第二十五を、最初から高らかに誦しはじめました。

経を誦して半ばに至らざる時に、髑髏のうつろなる眼から、ハラハラと涙のこぼれるのを、弁信法師は確かに見ました。

いよいよ普門品一巻を誦し終った時に、弁信の頭上のけやきの枝と葉がサラサラと鳴って、そこから人が下りて来ました。

まさしく人の形には形をしています。真黒な裸形で、眼も、鼻も、口も、少しもわかりませんが、弁信の頭の上から下りて、すたすたと火の海を渡って、髑髏の方へ行こうとしますから、弁信が、