Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠10
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠10 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 285.635 Zeichen · 558 Bildschirme
あり、自分の知れる限りにおいては、まだまだいくらも高山に登ることを好み、高山を修行の道場とする神主のあることを、実例をあげて説き出そうとするものだから、山の通人がいよいよセキ込んで、
「イヤ、物はそう一概に言うものではない、例外というものもあるし……」
とさわぐのを、良斎が尻目にかけて、
「それから、あなたは、馬琴の常夏草紙の中に、多摩川の岸に、大和なでしこが咲き乱れていると書いてあったといいますが、どの辺に、そんなことがありましたか?」
「ええ、初めの方に、そんなことがあったようです……」
「さきほども聞いていますと、このお雪ちゃんが、ツガザクラの下を通ったとか、通らなかったとかいって、小言をいっておいでのようでしたが、お雪ちゃんの文章は、たいてい一度は、わたしが見て上げますが、そんなことは書きはしなかったようですよ、よく読み直してごらんなさい」
「いや、わたしも、ちょっと眼に触れたままですから……」
「かりにも学者として、左様な粗末な、不親切な、見方をなさってはいけません。小説としても馬琴ほどの作者になれば、室町御所に虎を出そうとも、利根川の岸に芳流閣を築こうと、八丈島で馬に乗ろうと、安房の国で鯉をつろうとも、皆それだけの頭と、働きを以てやるのですから、あなた方が、一方向きの知識だけでかれこれいうのは、僭越という