Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠11
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠11 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 368.567 Zeichen · 720 Bildschirme
最初のうちは、無論、それを自分の僻耳とばかり、問題にはしませんでしたが、あんまり長く続くものですから、お雪もようやく気になり出してきました。
あの二人が酒を飲み合って、高話をしている中に、たしかに女の人が一人、とり持ちをしているに相違ない――どうしても、そうとしか受取れない空気の動揺を、お雪が感得せずにはおられませんでした。
もしやあの人たちは、女子衆をお連れになって来ているのではないか、とさえ疑われたものですから、お雪は、炬燵の中へ手を入れたままで、我を忘れて、その音を聞取ろうとしました。
つまり、あのお二人の中に女が立交っているとすれば、それはいかなる女であるか。また、はっきりとは聞取れないが、何かしきりに二人の間へ調子を合わせているあの言葉、あれは何と言っているのだか、それを明らかに聞取りたいものだと、お雪は息をひそめて、耳をすましましたが、どうも、たよりのないことには、空気と、調子はそれだが、音そのものが何を言っているのだか、その単語の一つさえ、はっきりと聞取れないのが、もどかしくてたまりません。
そこで、自分の耳のうちに起る幻覚として、それを打消しながら聞いていると、まさに男性二人だけの言葉で、それは、単語もはっきりと聞取れるが、暫くすると、また混線して、その間へ、何とも聞取れない女声の呂律