Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠11
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠11 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 368.567 Zeichen · 720 Bildschirme
「しかし、拙者の方は、そう一夜を争うほどの差しさわりは何もないのだから、明日出立のこととしましょう、諸君、たって出立なさるなら、遠慮なく一足お先へ」
と兵馬が言いました。
「では、丸山もその気でいるから、一足お先へごめん蒙るとしよう……そうしても君も一旦、松本へ出るだろうな。松本へ出たら、浅間へ来給え、ともかく、あれで待合わすと致そう」
「拙者の方は、しかとお約束はできない」
「浅間でいけなければ、甲州の有野村へ来給え、あそこで君を待っている人がある、有野村の藤原家の娘が、君を待ちわびているはずだ、よろしく」
「それもお約束はできない、御縁があらば、そのうち、いずれかで逢いましょう」
「時に宇津木君、君は路用を持っているか、用意があればさしつかえないが、もし手元不如意だったら、遠慮なく言ってくれ給え」
これは不思議である。
兵馬の方へ無心の出そうな面が、かえって、先方から勝手元を志願して出る。
十四
宇津木兵馬は、二人を先へ立たせてしまう方がかえって安心だと思いました。
彼等が今日立ってしまったあと、自分は、ひとり悠々と志す方へ旅立ったほうがよろしい。