Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠11
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠11 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 368.567 Zeichen · 720 Bildschirme
一言も言わないのみならず、先方でまだ気がつかないでいるのを幸い、自分も、あの人の帰るまで、姿を見せないでいるのが分別だと心を決めてしまったのは、全く聡明な思いやりでありました。
無論、お雪は、二人の間の執拗なる葛藤を、少しも知っているのではない。
ただ、こちらは隠れている人、隠れないまでも、人に会わせたくも、逢いたくもない人であるのに、先方は、今時分、こうして、この山奥まで、雪を冒して、入り込んで来る以上は、それは徒らに紛れ込んだと思われない、道に迷うたともいわれない、何か目的があり、何か尋ね求めんとするものがあればこそ、この時分、このところへ、わざわざ足を踏み入れたものに相違ない。
もしや、心安立てに面を合わせることが緒となって、退引ならぬこんがらかりに導いた日には、取っても返らないではないか。
あの若い方は、素直な方であるし、自分にとっては、危うきを救われた恩人である。この場合、知って知らないふりをするのはつらいけれど、思い合わせてみると、その時分から、何かを尋ね尋ねて歩み疲れていた人のようではあった。
それに気味の悪いあの二人連れの壮士。