Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠11
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠11 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 368.567 Zeichen · 720 Bildschirme
さすがに道庵先生は、江戸ッ子です。この場に及んでも、自己の一身上のための弁疏哀願は後廻しにして、まず借物にいたみのないようにと宥免を乞うのを耳にも入れず、
「たわごとを申すな」
と情け容赦もなく捕方は、ポカリと食わせます。
「こいつは驚いた、こいつはたまらねえ」
道庵も混乱迷倒してしまいました。
かかる折柄、米友が居合せなかったことの幸不幸は別として、米友は、さいぜん、木材を持ち来って一応の使命をおえた後に、程離れた世話人のところまで、風呂をもらいに行き、兼ねて夕飯の御馳走になっている時でした。
七
その晩のうちに、極めて無事に、名古屋の城下へ護送されて行く道庵と米友を見ます。
名古屋の城下といっても、ここからは、僅かに一里余りの道のりですから、別段、トウマルカゴの用意も要らず、有合せの四ツ手駕籠の中で、祭典の前祝いの追加が、この時分になって利き出したものか、道庵は護送の身を忘れていい気持になってしまいました。
いい気持になって、ここではじめて道庵は、護送の役人を相手に、自分たちがこのたびの旅行の目的と、併せて、決して自分たちが危険人物でないということの弁明を試みました。