Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠11
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠11 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 368.567 Zeichen · 720 Bildschirme
もある」
「つまり、それも一方から見れば、この城に、意気と、人物がないという証拠になる。もしこの城に、会津ほどの気概があり、西郷ほどの人物がいたら、金の鯱がまぶしくって、誰も近寄れない、それこそ天下の脅威だ」
「ところが、この城の金の鯱があんまりまぶしくない。瘠せても、枯れても、徳川親藩第一の尾州家――それが、この城を築くために甘んじて犠牲の奉公をつとめた落日の豊臣家時代の加藤清正ほどの潜勢力を持合せていないことは、尾州藩のためにも、天下のためにも、幸福かも知れないのだ」
「そうさ、頼みになりそうでならない、その点は、表に屈服して、内心怖れられていた、当時の加藤清正あたりの勢力とは、比較になるものではない」
「思えば、頼みになりそうでならぬのは親類共――水戸はあのザマで、最初から徳川にとっては獅子身中の虫といったようなものだし……紀州は、もう初期時代からしばしば宗家に対して謀叛が伝えられているし、尾張は骨抜きになっている」
「かりに誰かが、徳川に代って天下を取った日には、ぜひとも、加藤肥後守清正の子孫をたずね出して、この名古屋城をそっくり持たせてやりたい」