Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠11
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠11 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 368.567 Zeichen · 720 Bildschirme
場所も場所、時も時、野郎またやったかなと、知っている者は口惜しがるに違いない。
果して、その翌日、枇杷島橋を渡って西の方へ向いて、何か瓦版ようの紙をひろげて、見入りながら歩いて行くがんりきの百蔵を見る。
「おっと、危ねえ、気をつけておくんなさいよ」
問屋町の青物市場から来た青物車を避ける途端に、取落したその紙を、がんりきは、あわてて拾い上げたのを見ると、何かしらの番附らしい。
さてこそ、昨夜の長局の紛失は、まさしくこやつの仕業に相違ない。
だが、こやつとても、あの晩の品定めがあることを、あらかじめ窺い知って、あの番附を盗みにわざわざ城内に忍び込んだとは思われない。
これは何か別の謀叛があって、南条、五十嵐あたりに頼まれ、城内へ忍び入って、偶然、かしましい長局の品定めを立聞きしたことから、結局、この方が自分の趣味にかない、委細をすっかり聞取ってしまって、その最後のみやげが、あの長押に貼った二枚の番附だけの獲物で充分に甘心して出て来たものと思われる。
そこで、多分、このほかには被害は無いでしょう。ありとすれば、あの番附二枚が、今はいかなる手品の種に使われるかというだけのことです。