Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠11
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠11 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 368.567 Zeichen · 720 Bildschirme
「よろしい、承知しましたが、しかし、お雪ちゃん、あなたは名古屋に、お知合いがありますか」
「いいえ、少しも知った人はありませんけれど、弁信さんに宛ててみましょう」
「弁信さんというのは?」
「あたしのお友達よ」
「へえ、あなたのお友達の弁信さん――面白いですね、お雪ちゃんほどの娘さんが、まずたよりをなさろうというのに、故郷や、親や、兄弟のことをおっしゃらず、まっ先にお友達のことをおっしゃる。そのお友達こそ、ずいぶんのあやかり者だと思います。しかもそれが女のお友達じゃありませんね、弁信さん――の名が示すところによれば、男の方ですね、男もしかしどうやら俗界とは離れたような呼び名。なんにしても、まっ先に、あなたから呼びかけられる弁信さんは果報です。さだめて綺麗なお寺小姓か、若い美僧で、忘れられない、あなたの昔なじみなんでしょう」
「ええ、全く、わたし、世の中に弁信さんほど、よい人は無いと思いますわ」
と、お雪が言い出したものだから、北原賢次が再び度胆をぬかれてしまいました。
「へえ、弁信さんてのは、そんなに、いい人なんですか」
「全く、この世の中に、あんないい人はありません」