Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠11

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠11 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 368.567 Zeichen · 720 Bildschirme

Aozora Bunko

「嫂さん、あなたの言うことは、ちっともわかりません、敵も味方も、恩も恨みもめちゃくちゃです」

「敵も味方も無いじゃありませんか、わたしは、文之丞にも、竜之助にも許した女です」

「不貞な女!」

「不貞な女に相違ありませんから、不貞な女の受けるだけの責めは、みんな受けているつもりですよ」

「責めは受けたって、罪は消えない」

「消えませんとも。消えないから、こんなに古傷が痛むのです。わたしは今となって、文之丞も、竜之助も、どちらも罪がないと思います、どちらも行くべき当然の道を歩かせられたのですわ。そんなら、わたしひとりが悪者かというに、そうでもありません、わたしもまた、わたしの行く道を行かせられただけのものです。それで、もうたくさんなのに、兵馬さんまでが、またわたしたちと同じような道を行こうとなさる、ほんとにお気の毒に思いますわ」

「何が気の毒です」

「何でもようござんす、許してお上げなさい、そうすれば、お前さんも救われます」

「誰に、私が救われるのですか」

「白骨の温泉で死んだ、飛騨の高山の穀屋の後家さんというのを御覧なさい、あの方は、御亭主が病気で寝ているその前で、幾人の男を弄んだか知れません、それをみんなあの御良人が許していましたよ」