Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠11

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠11 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 368.567 Zeichen · 720 Bildschirme

Aozora Bunko

その時分、駒井は天体のある部分――たとえば大熊座と小熊座の間のあたりに、何か異状を認めたらしく――望遠鏡に吸いつけられて、茂太郎の歌も聞えない。まして、その音律や行動に干渉を試むる余地もなく、全く閑却していると――いつもならば、その歌を聞いて、よく覚えたと賞めたり、間違ったところを訂正したり、なお新知識を授けたりするところを、今は全く閑却しているものですから――茂太郎の歌が、そこでひとたび途絶えました。

やがて、暫くあって、一段高いところで、一段のソプラノが起るのを聞きました。

西は丹波カラサキ口

東は伊賀越えカラサキ口

和田の岬の左手より

追々つづく数多の兵船

眼鏡に吸いつけられていた駒井甚三郎が、この声で、驚かされて見上げるところ、台の上からなお高く立てられた番所の旗竿のてっぺんまで、この子は上りつめて、そこで般若の面は頭上にのせたまま、片手で、しっかり旗竿につかまり、片手は播磨屋をきめこんで小手をかざして海のあたりをながめているのは、多分、江戸へ見世物にやられた時分、どこかの楽屋で、見よう見まねをしたものの名残りかと思われる。それを仰いだ駒井は、