Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠11
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠11 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 368.567 Zeichen · 720 Bildschirme
兵部の娘も、金椎も、おのおの、牀について、安らかに眠りに落ちているようです。
「茂君、お前、もうよろしいからお休み」
提灯を消して、蝋燭の煙をながめていた茂太郎が、
「殿様、マドロスさんをどうしましょう」
「そうだな」
駒井は思い出したように、
「貞さんを呼びましょうか」
「もう寝ているだろう」
「起しましょうか」
「気の毒だ」
「では、金椎さんと、わたし、二人で行ってマドロスさんを、かついで来ましょうか」
「金椎もよく寝ているのにかわいそうだ、それに二人の力ではかつげまい、まあ、いいから、ほうって置け」
「では、マドロスさんを今晩中、あのままにして置きますか」
「一晩、すずませてやれ、生命には仔細あるまい、そのうち酔いがさめると、ひとりで帰って来る」
「では、かまわないで、ほうって置いてみましょうか。でも狼に食われるといけませんね」
「そんなことがあるものか、よしよし、お前はお休み」
「では、殿様もお休みあそばせ」
こう言って、茂太郎は、おとなしく、自分の部屋に戻りました。
自分の部屋といううちに、この子は部屋を二つ持っている。ある時は金椎と枕を並べ、ある時は兵部の娘のところに居候をする。