Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠11

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠11 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 368.567 Zeichen · 720 Bildschirme

Aozora Bunko

叫んでも、今まで誰も来てくれない!

それを聞いてみると、酔いどれとは言いながら、たしかに、計画的にやった犯行だというよりほかはない。茂太郎を抑え込む以前には、多分主人公駒井の室の動静をもうかがっての上だろう。たしかに主人公がいないと見極めて、急に悪性がこみ上げて来て、この蛮行に出でたものかも知れない――この雑然、噪然、困惑の中に、金椎のみは別世界にいるように、いっかな夢を破られてはいないことがかえって不憫でもある。

すべてを、もとのようにあらしめ、もゆる子と、茂太郎とは自分の次の一室において、駒井自身も寝についたが、その夜は、ほとんど眠られませんでした。

翌日、人を集めて、旨を含めて、マドロスの行方をさがさせたけれども、それは容易にわかりません。悔恨に責められて、ドコぞの木の枝にブラ下がっているという報告も聞かないが、生きている以上は、遠くは逃げられないことになっている。よし遠く逃げたところで、眼の色と髪の毛とが、身を置くところ無からしめるにきまっている。

その日、一日さがさせただけで、マドロスの行方捜索は打切り……駒井の頭は、この浮浪人の行方よりも、そやつの働いた不徳の行為よりも、自分が監視のぬかりを悔ゆるよりも、それと関聯して、それとは別に、一つの軽からぬ悩みに捉われてしまいました。