Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠11
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠11 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 368.567 Zeichen · 720 Bildschirme
ておりますのよ。だから、マドロスさんだけを危険がったり、憎がったりするのは不公平だと、わたしは考えました」
「そうすると、男という男は、みんな野獣のようなものか」
「いいえ、そうじゃありません、女が誘いをかけるように出来ているから、そうなるのですね。罪といえば、罪のもとはかえって女にあるかも知れません、女に誘惑の力が無ければ、男が危険をおかしてまで寄って来るはずがございませんもの」
「それじゃお前は、男の暴力を是認しているのだね、暴力の前に、女というものの貞操は食い物にされるということを、あたりまえと許している」
「貞操なんていうものは……わたしは頭が悪いからよくわかりませんが、ずいぶん手前勝手なものじゃありません?」
「貞操というものが、手前勝手のものだって……」
「ええ」
「少し頭を静かにした方がいい」
「いいえ、静かになっておりますのよ、わたしの方が、今日は殿様より静かになっているかも知れません。わたしは、男にしても、女にしても、貞操というものはずいぶん手前勝手なものじゃないか知らと、このごろ中、考えさせられていました」
「…………」
「マドロスさんは乱暴には相違ないが、それを憎むわたしたちが男だとしまして、そうして、マドロスさんがしたような事を、決してしないと言いきることができましょうか」