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Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠11

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠11 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 368.567 Zeichen · 720 Bildschirme

Aozora Bunko

右の一皿だけを提供し終ると、あとは節制を与えて物質の補充を追加しないのが、この際相当の処置と思ったのでしょう。

そこで、食うことがこれ以上許されないとすれば、これからまた号泣の中断を続けるの段取りとならなければならぬ。

果して、金椎が立去ったあとで、哀号の声がしきりに起りました。

その哀号を遠音に聞きながら、駒井甚三郎は人間の本能性の底の知れない不検束というものを、両様に感じないわけにはゆきません。

御当人はああして哀号することによって、気分が改悔の誠意を見せているつもりか知らん、同時に同情の念を呼び起そうとつとめているのか知らん、見ている周囲にとっては、いよいよ滑稽と、侮蔑とがあるのみだ。

それにつけても、一人というものの存在が、存在その時には意識に上らなかったほどの影が、立退いてみると、無用の用の大きさの予想外なのに驚かされることがある。

田山白雲がおりさえすれば、ただ存在するその事だけで、これら一切の、悲喜劇は起らなかったのだ。田山が存在することによって、マドロスの放縦が芽を出すことができない。よし芽が出ても、伸びることができないのだ。人間には、ただ人間としての力の存在のほかに、その雰囲気の力がある――というようなことを、駒井が痛感せずにはおられないのです。