Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

だいぼさつとうげ

大菩薩峠11

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠11 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 368.567 Zeichen · 720 Bildschirme

Aozora Bunko

「こちらこそ失礼をつかまつりました」

お角はこう言って挨拶をして、再び駕籠の中に納まりましたが、これより先、早くも胸に思い当るところのものがありました。

当然――これは昨日のあの相撲場の喧嘩のなごりだな……

どのみち、あれだけでは納まりのつかない後日があらねばならぬ。実は昨夜の泊りから、今朝まで、それとなく、噂に耳を傾けていたのだが、さっぱり静かなものであるのを、むしろ意外としていたくらいのものでありました。

あれで、あの若ざむらいたちは泣寝入りかな、身から出た錆だから、誰を怨まんようはなきものの、このままで空々寂々では、あんまり張合いが無さ過ぎる――と、お角もなんとなく拍子抜けがしてここまで来たところだから、ここで棒鼻をおさえられた時分に、ハッとそのことに思い当ってはいたのです。

自分たちの駕籠をおさえて、人あらためにかかったのは、右の美少年ひとりだけだが、行手の松林の中に相当の人数が控えている、これは愚図愚図していると人違いの災難を受ける、そこをお角が感づいて、先を越して早くも素姓を露出して見せたお角の機転もさることながら、この美少年が、年に似合わず落着いて、ハキハキした応対ぶりに感心させられないわけにはゆかぬ。