Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠11
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠11 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 368.567 Zeichen · 720 Bildschirme
それをお浜は心得たように、羽二重かなにかの長襦袢の真白なのを一枚だけ取って竜之助に見せますと、それには、べっとりと血がついておりました。
「おわかりになりまして?」
「うむ」
「これは地が白いから、わかりますが、黒いのや、紫や、紺地なのは、この血の色がわかりません。わからないけれども、どれとして一つ、血のついていないのは無いのですよ。まだベトベトとしめりの来ているのもあります、もう乾いて、ひきはなすとバリバリと音のするのもありますよ。ですから、畳み直すのに骨が折れて仕方がありません。まあごらん遊ばせ、これなんぞは、こんなに生々しい、さわると手がこの通りでございます」
お浜は畳んでいた小手を上げて、その掌から、手首から、二の腕のところまで、真紅の血痕が淋漓として漂うのを示しました。
竜之助は眼を据えて、その血の腕を見つめます。
竜之助は白い眼で、それをじっと、暫く見据えていたが、やがて言いました、
「そんな物を、誰に頼まれてひねくり廻すのだ、早く屑屋に売ってしまえ」
「屑屋だって買やしませんよ、第一、かかわり合いが怖いって言いますから」
「屑屋も買わないものを、御丁寧に皺をのばして、どうしようというのだ」