Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠11
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠11 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 368.567 Zeichen · 720 Bildschirme
実は、ここは鳴海の土地と聞いておりますから、昔から有名な鳴海潟を見物しようと思いまして、こうして宿を出て来るには来ましたが、いくら行っても海がないのに、誰に聞いても、鳴海潟を教えてくれないものですから、困りました。このお寺へ行ってごらんなさればわかるかも知れない、と教えてくれる人がありましたが、やっぱりわかりません」
婦人がこう物語りましたので、米友が元気づきました。自分でさえも、人がましく思うものだから、それで物を尋ねてみたり、また求めざるのに、物を尋ねるその理由を説明してみたりしてくれるのだ。この婦人も、この地に足をとどめた旅人であることに於ては自分と同じことだという感じが率直な米友の心に親しみを持たせました。
「はあ、そうですか――鳴海というのは、おいらもよく歌や、発句で覚えているが、ここがその鳴海というところなんですか」
「この辺がいったいに鳴海のうちですけれども、かんじんの海が少しも見えません」
「なるほど、海がねえなあ」
「あなたは、どちらの方からおいでになりました」
「おいらかね、おいらは宮の渡し場から来たんだが……」
「あ、熱田の宮からおいでになりましたのですか。