Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠11
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠11 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 368.567 Zeichen · 720 Bildschirme
「お前さん、名古屋の人なの?」
「いいんにゃ、名古屋の人じゃねえ、暫く名古屋へ逗留してから、やがて京大阪の方へ行ってみるのだ」
「おや、それじゃやっぱり旅中なのね。わたしたちも明日は名古屋へ行って、暫く泊っているにはいるけれど、京大阪から田宮の方まで行くかも知れません」
「そうですか、じゃ、また途中で出逢すかも知れねえね」
「ええ、途中ばかりじゃない、明日は名古屋で、また逢えるかも知れません」
「旅は道づれ――と言ってな」
米友がこう言ってバツを合わせました。旅は道づれの意味が、米友にはよく徹底していなかった――が、この場合、やむを得ず、有合せを使用したものらしい。
「ええ、旅は道づれ次第のものですね」
それを婦人が、気安く、また意義ある取り方をしてくれたので、米友も助かり、
「姉さんも、一人じゃあるめえね、連れがお有んなさるんでしょう」
と、米友も如才なく合わせました。最初にはおかみさんと言い、今は姉さんと言う、この点米友も多少考えたらしいけれども、この姉さんは以前と変らず、
「ええ、幾人も連れはありますけれど、気の合わない時は、連れがあるより、一人の方がようござんすね」