Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠11

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠11 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 368.567 Zeichen · 720 Bildschirme

Aozora Bunko

「それでは、これから、わたしが手紙を書きますから、どうぞ少しの間、お待ち下さいまし」

こう言って、お松は引込んでしまいました。

七兵衛は、ひとり炉辺で、お茶を飲みながら待っている。

かなり長い時間――お松はかなり長い文言を書いていると見える。やがて、乳母の手に駒井の一子登を抱かせて、三人で出て来て、

「お待たせ申しました」

お松は炉辺へ坐って、七兵衛に手紙を差出して、

「委細はこれに書いてございますから、駒井の殿様にこれを差上げていただきとうございます、それから、おじさん、ちょっとこのお子さんをごらん下さいまし」

「はいはい」

「これが駒井の殿様のたった一人の御血統なんでございます、この通り虫気もなく、すこやかにお育て申しておりますから、殿様にそれを申し上げて下さいまし」

「はいはい、よくねんねしていますね、争われないものだ、いいお子さんだ、立派な御人相だ」

七兵衛は、登の面をしげしげと見入りました。

「ほんとうに、このお姿を殿様に、一目でも見せてお上げ申したいと思います」

「尤もだ、尤もだ。その殿様はまだこのお子さんをごらんになったことがないのかえ」

「ええ、まだ親子のお名乗りさえしていらっしゃらないので、登様というお名前も、わたしがつけて上げたのです」