Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠11

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠11 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 368.567 Zeichen · 720 Bildschirme

Aozora Bunko

この子供はお茶を注いで、七兵衛にすすめたが、そのまま出て行かないで、お客様の傍へきちんとかしこまり、例の般若の面は後生大事にして、そうして、七兵衛に馴々しく話しかけるのです。

「おじさん、お前どこから来たの?」

「え、私は遠いところから来ましたよ」

「遠いところってどこ?」

「向うの方のお山ですよ」

「向うのお山? では甲州上野原?」

と言われて七兵衛がギョッとして、思わずこの少年の顔を見直し、

「上野原とは違いますけれど、坊ちゃん、あっちの方を知ってますか」

「ああ、あたい、甲州の上野原の月見寺にいたことがあるのよ」

「ああ、そうですか、おじさんのところは上野原より少し近いけれども、やっぱり山ですよ」

「何というところなの」

「青梅というところですよ」

「青梅? 大きな眼があるの?」

「そういうわけじゃありませんよ、青い梅というところですよ」

「そうですか、そんな山の中から何しに来たの」

「少し頼まれた用事があって来ましたよ」

「何の用事を頼まれたの」

「こちらの殿様の御親類から頼まれて来たのさ」

「あんな山の中に、殿様の御親類があったのかしら」

「ええ、ありますとも、そこには御親類の可愛らしいお子さんがいますよ」