Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠11
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠11 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 368.567 Zeichen · 720 Bildschirme
七兵衛はこの音で初めて時計に気がついて、そしてなんだか分らない顔をして時計を眺めました。
「ああ五時だ、おじさん、私はちょっと行ってまいりますよ」
こう言って茂太郎は、この室を飛び出してしまいました。
六十五
あとに残された七兵衛、お茶を飲みかけていると、急にまた例の物置の方面で、けたたましい叫び声がして、人がののしり、号泣し、容易ならぬ騒動が持上ったもののようです。
七兵衛も一度は駈け出して見ようかと思いましたが、そのうちに噪ぎはようやく静まり、人も出て行ったようですから、また腰を落着けていると、そこへあわただしく茂太郎がまた飛び込んで来て、
「おじさん、おじさん、大変だよ、大変なことが出来ちまったよ」
「何だい」
「今ねえ、村の人やなんかが大勢やって来て、マドロスさんをさらって行ってしまったのよ。マドロスさんは悪いことはしたけれども、本当は悪い人じゃないの、それをみんながああして連れて行ってしまったから、マドロスさんは殺されるかも知れません、大変よ、大変よ」
「そりゃ大変だ、殿様に申し上げたかい、殿様はどうしていらっしゃる」
「殿様は造船所の方へ行っちまったんです、そのあとへ村の人が大勢入って来て、盗人を殺せ、毛唐の狒々をやっつけろなんて、大勢でマドロスさんを担いで行ってしまいましたよ」