Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠11

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠11 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 368.567 Zeichen · 720 Bildschirme

Aozora Bunko

ものでございます」

そう言われて、駒井は全くこたえたように七兵衛の面に眼を注ぎました。

不思議の男だ。見かけはどう見直しても質朴なお百姓に過ぎないこの男、義気だか、客気だか分らないが、飛んで火に入る勇気を十二分に持ち合わせている。

満身これ胆とはこういう男をいうのかしら……今こそお百姓の風をしているが、若い時分には長脇差の柄を握って、血の雨の中をくぐり歩いた男かも知れない。

ともかくも妙な場合に来合わせたものだ。

こういう男に限って、行くなと言ってもきっと行く、これはともかく任せてみるよりほかに仕方がない、と心を決めました。

六十六

清洲の山吹御殿の銀杏加藤の奥方の居間へ、不意に一人の珍客が訪れました。

「これはまあお珍しい、梶川さん、ようこそ」

と、例の居間で奥方から笑顔で迎えられたのは、この間岡崎市外の街道で、友人のために人を討ち果し、そして、お角の駕籠にあいのりして、鳴海の宿まで送られた美少年、梶川与之助でありました。

「これは奥方、不意に御静居をお驚かせ申して相済みません、伊津丸殿はおいででございますか」

「はい、伊津丸もおるにはおりますが、もう永いこと患って、病の床に就いておりまする」