Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠11
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠11 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 368.567 Zeichen · 720 Bildschirme
まして、人情というものの煩悩から全く脱しきれない貧道無縁の身、あちらへ帰りますと、見るもの、聞くものが、みな人情のほだしとならぬことはなく、この玉の緒の絶えなんとすることほどの切なさが、幾つ思い出の数にのぼりましょう、第二の故郷である安房の国へ帰ることは、第二の煩悩の種子を蒔きに行くようなものでございます。わたくしは安房へは帰れません、清澄のお山へは戻れません……ではせっかく来たものだから、空であろうともなかろうとも、惹きつけられた力が絶えようとも絶えまいとも、最初の目的通り、一旦その白骨谷へ行って見てはどうかとおっしゃるのですか……それもそうでございます、わたくしも今それを考えているのでございます。さいぜんまで、あれほど痛切に呼びかけたお雪ちゃんの声が、いま私のあたまに響かないのは、あの子がもう白骨谷にはいない証拠だと、それでわたくしは一時がっかりしまして、それがために、せっかくこれまで来た踵を返そうといたしましたが、しかしなおよく考えてみますると、たとえ、お雪ちゃんという子が現在あそこにいないにしても、最近まであそこにいたことはたしかでございます、ですからあの子の最近の便りを知るには、やはり白骨谷に越したところはございません、ともかくも白骨谷に行きさえすれば、もしあの子がいないとすれば、どちらへ行っ