Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠11

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠11 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 368.567 Zeichen · 720 Bildschirme

Aozora Bunko

「そうですね――もう一ぺん、その翻訳をお聞かせ下さい」

「とにかく、馬に乗りましょう」

駒井は右の紙片をかくしにハサんで馬に乗ると、田山もつづいて馬上の人となり、かくて二人は、また以前のように九十九里の浜の波打際を並んで歩み出し、そこで駒井は言いました。

「権力を用うる政府の最大主眼は、人民と相敬重することにあって、権力の濫用から、人民を確保しなければならぬ、服従無き自由は混乱であって、自由なきの服従は奴隷である――まあ、こんな意味です」

「ははあ、つまり、政府と人民とを対等に見、服従と自由とを、唇歯の関係と見立てたのですな」

「まあ、そんなものです、イギリスか、アメリカあたりの政治家の言いそうなことで、立派な意見です」

「しかし、駒井さん、西洋では、そんな理窟が通るかも知れませんが、日本では駄目ですね」

と白雲が、キッパリと言いました。

「なぜです」

「なぜといったって、政府と人民とが相敬重し合うなんて、そんなことは口で言ったり、筆で書いたりすれば立派かも知れないが、事実、行われるものじゃありません」

「どうしてです」

「人民なんていうものは、隙があればわがままをして、我利我利を働きたがるものですから、うっかり敬重なんぞをしてごらんなさい、たちまち甘く見られて、何をしでかすか知れたものじゃありませんよ、政府は政府として