Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠11

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠11 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 368.567 Zeichen · 720 Bildschirme

Aozora Bunko

の字に曲る路の折目に立って、暫く息を休めておりました――が、思いきって威勢のいい足を踏み出し、

クマニセントー通る時ゃ

前から鉄砲でドカドカと

あとからラッパで責めかける

今年ゃ何で苦労する

皆、天朝さんのかかり

軍歌のつもりかも知れません。これを進軍の歩調に合わせて、ホイチニといわぬばかりの勢いで、一気に、房総第一の高山の頂上までのぼりつめてしまいました。

房総第一の高山の頂上に立った清澄の茂太郎は、この時、日が全く落ち、親しい星がかがやきはじめ、落日の遠く彼方に、浩渺たる海の流るることを認めました。

清澄の茂太郎は、房総第一の高山の上に立って、煙波浩渺として暮れゆく海をながめて、茫然として立ちつくしていましたが、星を見るには、まだ時刻が少し早いのです。そうかといって、永久に沈黙が続くべきはずのものではありません。

生物の間に、沈黙の世界というものは無いようです。

万物がみな歌う、茂太郎が黙っていられるはずがない。明けるにつけ、暮れるにつけ、歌無くしてやむべきものではありません。

さりとて、茂太郎のが厳密にいって、歌であるかどうかは甚だ疑問です。でも、散文ともいえないし、独語ともいえない。