Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠11
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠11 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 368.567 Zeichen · 720 Bildschirme
二人はいさかいをやめて、黒煙濛々たる黒船をきょとんとながめている。
十四
津の宮の鳥居の下から、舟をやとうた田山白雲は、鯉のあらい、白魚の酢味噌を前に並べて、行々子の騒ぐのを聞き流し、水郷の中に独酌を試みている。
船は、どこまでも流れにまかせて進むから、これは鳥居前から、十五島を横断し、十二橋をくぐって潮来へ出ようという目的ではないらしい。
利根の流れをズンズンと浪逆浦へ出て、多分、鹿島の大船津を目的とするものだろうと思われる。つまり、香取の神宮へ参拝して、潮来出島はあと廻しにして、鹿島神宮を志すものらしい。
中流にして、田山白雲は、杯をあげて船頭を呼びました、
「おい、若衆、一つやらないか」
つまり、利根川の舟の船頭さんであるところの若いのに、杯をさしたものです。
「こりゃあ、どうも」
と、その若い船頭さんが恐縮する。この兄いは、ちょっと、いなせなところがある。恐縮しながら水棹を置き、鉢巻を取りながらやって来ると、
「兄い、おめえは土地の人か」
田山白雲が、調子をおろして尋ねてみますと、若衆ははにかみながら、
「へえ、これでも土地っ子には土地っ子ですが、少しよその方へ行って遊んで参りました」