Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠16

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠16 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 268.946 Zeichen · 520 Bildschirme

Aozora Bunko

もとより、連子形の飛び飛びの空間から、視野をほしいままにするわけにはゆきませんが、さっと窓を開いて、そうして、流れ渡る月光の外野を見ると、特に何物をか、しかと認め得たというわけではありませんが、なんとなく、いよいよ米友をして安心せしめざるところのものがある。

そこで、また眼をこすって、いきなり立戻って今度は、裏口の、つまり、その家からいえば非常口といった方面です、そこに一間間だけの戸があって、心張棒で塞いである、その心張棒を米友が外しにかかりました。心張棒を外から外すことは、かなり難儀な仕事だが、内から外す分には何の事はないのです。

それを外して、戸をがらりとあけて見ました。これは連子窓から見た棒縞形の世界とは違って、胆吹のスロープを充分に視野に取入れて、そうして、まぢかくはこの家の軒下をずっと見通し――果して、その軒下の南へ廻る角のところに、怪しい者の姿を米友がしかと認めて、思わず力足、例のじだんだの一種類ですが、ここは板の間の上ですから、じだんだとは言えない、床だんだとか、木だんだとかいうのが正当かも知れないのですが、「曲者見つけた!」というような気合で、米友が小躍りしてみたのですが、その見つけられた怪しい者は、米友が動いたほどには動きませんでしたけれども、それでも、誰かに見咎められたと感づいたもの