Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠16

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠16 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 268.946 Zeichen · 520 Bildschirme

Aozora Bunko

ここで、あぶなく食いとめて駄目を押したのですが、お銀様は猶予なく、覆面の首を横に振りました。

「いけません、もう遅いですよ、黙っていたのは承知のしるしなんですからね」

いかにも、黙許とか、黙諾とかいう不文律はあるにはあるけれど、それをこの場合、米友に向って強圧的にはめ込もうとするお銀様の了見方がわからない。

「ちぇッ」

と米友が舌打ちをしましたけれど、一向ひるまないお銀様には、薪を加えたようにも、油が乗ってきたようにも見受けられ、

「もう許しません、一旦、お前は承知をしたのだから」

「承知をするにもしねえにも、頼まれる事柄そのものが、まだわかっちゃいねえじゃねえか」

「お前にはわからなくても、こちらにはわかっています、そうして、たった今の先、お前から充分に無言の承諾を得ていますからね」

「ばかにしなさんな」

通例は、「ばかにしてやがら」と言うべきところを、相手が相手のせいか、米友としては、「ばかにしてやがら」が「しなさんな」にまで緩和されてきました。

「男らしくもない」

とお銀様が、横目で睨む。

「何が」

「何がって」

「何がどうして」

「何がどうしてたって、男らしくもない」