Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠16

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠16 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 268.946 Zeichen · 520 Bildschirme

Aozora Bunko

「まあ嬉しい」

お銀様の声に、異様なる昂奮のひらめきがありました。

「わたしと、友さんと、他人でないと言ってくれましたわね」

「そりゃ、お前はどう受取ったか知れねえが、この土地も、この家も、みんなお前が正当の代価を払って買い受けたものだろう、その領分の中に仮りにも、こうやって衣食住を受けていりゃ、主と家来――と言わねえまでも、同じようなものだあな」

「ほんとに嬉しい、友さんの心意気が何という嬉しいことでしょう。では友さん、お前は、わたしの家来なんだね」

「まだ家来というわけじゃねえが、どっちかと言えば、頼まれて来た客分のようなものなんだが、でも、世話になっている以上は、お前を主と見て、するだけのことをするのが当然の態度なんだ」

「まあ、なんて可愛らしいことを言うんでしょう。では、なんにしても、友さんはわたしの家来、わたしは友さんの主人なのね」

「当座は、そんなようなわけなんだ」

「では友さん、今までは頼みでしたけれど、今度は命令になってかまいませんね」

「そりゃ――」

「もし一家の主人の命令が、家来に届かないとすれば、その家は成り立ちません」

「理窟はそうだ」

「一国の領主の命令が、領内の民に受入れられなければ、一国は成り立ちません」