Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠16
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠16 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 268.946 Zeichen · 520 Bildschirme
米友は、いつも考えて恩に着ている通りを、今もまた思い返したのに過ぎませんが、今日は、どうしたものか、それに一歩を進めて、
「だが、人間というやつぁ、生きているのが幸福か、死んでしまった方が楽なのか、わからねえな」
生死のことを考えると、どうしても米友は異体同心の昔の友を思わずにはおられません。昔の友というのは、間の山以来のお君のことです。お君を考えると、ムク――
「今ごろは、どこにどうしていやがるんだかなあ」
さすがの豪傑米友が、ここに来ると、どうしても半七さんの安否を思いわずらうようなセンチメンタルの人となるのを、如何ともすることができない。
ああ、このごろ少し紛れていたのが、また湧き上って来やがった。
いやだなあ――
思うまいとして抑えると、意地悪く手に合わないように噴き出して来る。
「いやだなあ――」
拝田村の村と、村の田の畦と、畑の畔とを走る幼い時の自分の姿が、まざまざと眼の前に現われて来ました。
藁の上から、おいらは親というものの面を知らねえ――
あの田圃の畔を流れる川の水は綺麗だったなあ、芹が――芹が川の中に青々と沈んでいやがった。鮒を捕ったり、泥鰌を取ったり……