Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠16
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠16 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 268.946 Zeichen · 520 Bildschirme
でもあるというと、他の人畜に危害を与えるおそれもあるが、その点に於てこういう野中では安心なものだ――という腹が米友にあるから、焦りつつも、いくらかの余裕をもって走ることができるのです。
ところが、案に相違して、なかなか前途から、心得のありそうな奴が飛び出して取抑えてくれそうもなし、何かこの奔馬をして、行きつまらせるところの障碍物といったようなものも容易にないのであります。
ついに一つのやや大きな川原中へ飛び出してしまいました。
「川へ来やがった」
川原道を、ついにこの馬がガムシャラに走るのです――その川原の幾筋もの流れをむやみに乗切って、ずんずん飛んで行く馬は、まだ石田村の門前でひっぱたかれた逆上が下りないで、お先まっくらがさせる業なのでしょう。
やむことを得ず、米友もつづいて川原の中へ飛び下りました。
逆上し切ってお先真暗なことに於て、奔れ馬ばかりを笑われませんでした。幾分の余裕を存して追いかけて来たつもりの米友自身すらも、この時分はかなり目先がもうげんじていました。
「わーっ」
という喚声が、行手の川の向う岸から揚って、そうしてバラバラと礫の雨が降って来た時は、米友が、屹となって向う岸を見込むと、その鼻先へ、今の今までまっしぐらという文字通りに走って来た放れ馬の奴が、不意に乗返して来たものですから、その当座