Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠16
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠16 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 268.946 Zeichen · 520 Bildschirme
、という看護法の要領だけは米友の頭にうつって出来たものですから、そのまま後生大事にお雪ちゃんをまた元の枕に寝かせながら、
「だから言わねえこっちゃねえ、お前、あの男にどうかされたんだろう。あの男というのは、お前が先生先生といってかしずいているあの盲のことだ、ありゃお前、魔物だぜ!」
と言いましたが、無論まだ口を利く自由さえ得ていないお雪ちゃんが、この文句を聞き取れようはずはありません。自然、米友のいうことは独り言になってしまっているのですが、聞かれていようとも、聞かれていなかろうとも、独り言であろうとも、相手を前に置いての独得のたんかであろうとも、米友としては言うだけのことを言いかけて、途中でやめるわけにはゆかない。
「お前はこっちへ寝て、あの男は向うの屏風の中へ寝たんだろう、まさか一緒に寝るようなことはありゃしめえ、あんな人間の傍へ近寄ろうとするのがあやまりなんだ、まあ怪我がこれだけで済んだから幸福のようなものなんだ。ところで、お前が珍しがっているあの人間は、今はその屏風の蔭に寝ちゃあいめえ。なあに、そこに寝ているぐれえなら世話はねえんだ、おいらでさえ、同じ座敷に寝ていて、毎晩のように出し抜かれた魔物なんだから、お雪ちゃんなんぞ一たまりもあるもんかよ」