Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠16
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠16 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 268.946 Zeichen · 520 Bildschirme
そこで、これはたまらぬと庄屋連が寄合って、竿入れ中止の運動を試みようとしたが、そこはわいろ役人に抜け目がなく、あらかじめ一切の訴願まかりならぬという請書を取ってある。しかし領民たちになってみると、死活の瀬戸際だから黙止してはいられない。その鬱憤が積りつもると、大雨で水嵩が増して行くように、緩慢に似てようやく強大である。どこの村からどう起ったということは今わからないけれど、近江の四周の山水が湖水へ向いて集まるように、湖岸一帯の人民の不平が、ある地点へ向って流れ落ち、溢れて来る。たとえば、野洲郡と甲賀郡の嘆願組が合流して水口に廻ろうとすると、栗田郡の庄屋が戸田村へ出揃って来る。勘定役人が甲の川沿いから乙の川沿いに行こうとすると、丙の郡の農民が結束して集まるもの数千人、ことに甲賀郡西部方面から押し出した農民は、水口藩警固の間をそれて権田川原に屯し、同勢みるみる加わって一万以上に達し、破竹の勢いで東海道を西上し石部の駅に達したが、膳所藩の警固隊を突破し三上村に殺到、ここで他の諸郡の勢いと合し、無慮二万人に及んで三上藩に押し寄せるという勢力になった。
幕府の勘定方の役人は、そのとき三上藩にいたが、藩の役人が怖れて急ぎ避難をなさるようにと勧めたが、剛情な幕府勘定方役人はそれを聞き入れない。