Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠16

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠16 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 268.946 Zeichen · 520 Bildschirme

Aozora Bunko

怪我がなければいいと思っておりますがね」

関守氏が誰に向ってか、こんなことを言うのを、庭と障子を隔ててお雪ちゃんが手に取るように聞きました。

最初は自分に向って呼びかけたのかと思いましたが、そうでもないようですから、わざと返答を控えているうちに、これだけのことを言い捨ててしまいますと、関守氏はそのまま、すたすたと本館の方へ行ってしまったようです。

では弁信さん、かねて竹生島へ行きたい行きたいと言っていたが、我慢しきれずに今朝でかけてしまったと見える。湖水巡りをする時は一緒にしましょう、と約束をして置きながら、ひとり出しぬいてしまうのはひどい。それは、弁信さんはただの遊覧と違って、竹生島の弁天様へ琵琶の方で特別の心願があるのですから、一緒にはならないかもしれないが、行くなら行くように、わたくしに一応挨拶をして下さってもよかりそうなものを、ひとりで行ってしまうのはヒドい、とお雪ちゃんは、心の中で少し弁信を恨みました。

それだけではない、昨晩出て行った人が一人も帰っていないではないか――宵のうちのことはここに思い出すまい、あの親切な米友さんがいない、もう帰って来そうなものだ、とお雪ちゃんはそれを心配しながら、